点评:礼文、利尻には、時に荒ぶるも豊かな自然と共に人間が逞しくも優しく共生している姿を垣間見ることができました。とくにアザラシの群れが沖合の岩山に集い、気持ちよさそうに昼寝している姿が印象的でした。
しかし、偶然訪れた仙法志岬で出会ったアザラシは別でした。
その日は、台風の接近もあって大荒れの天候、岩礁から突き出した牢獄のような狭い堀は強風に晒され、荒れ狂う海から押し寄せる高波とうねりが容赦なく入り込む中に閉じ込められ、ひとり戸惑うアザラシに逃げ場はありません。岩場の僅かな隙間にずぶ濡れのまましがみつくしかできないのです。声をかけても見向きもされませんでしたが、一瞬顔を向けた時に見せた悲しみに打ち拉がれた表情に思わず息を飲みました。私はこれまで、あれほど絶望した目線を向けられたことがありませんでした。救護の必要を感じて、常駐しているはずの飼育員を探しましたが見つかりません。そこで近くの土産物屋さんに聞くと「そんなの、いるわけないだろ」冷たい一言でした。
翌朝気になって見に行くと、同じ場所から動かず、声を掛けても反応はありません。堀の隅にある小さな給水口は鉄格子で海と区切られていましたが、微かに見える外界を悲しそうに眺める姿には本当に心が痛みました。眼前には広がる外海に仲間を見つけても共に遊び、泳ぐことは永遠に叶わないのです。この子にとっての本当の地獄とは、劣悪な飼育環境のみならず、心を砕く残酷な鉄格子なのだと気付きました。
しばらく見ていると、外国人の団体を乗せた観光バスが到着。ツアーガイドは、インスタ、インスタと叫び、100円で売られている不味そうな餌を買い、隠れたアザラシを呼び寄せますが、見向きもしません。すると不貞腐れて投げつけて帰っていく様子を見ていた日本人女性の一人が「餌を投げつけるなんてひどいね、一人で寂しいね」と声を掛けます。するとアザラシは目に涙を溜めながら私達を見上げ、弱弱しく鳴きました。その悲しみに打ちひしがれた表情には、虐待に耐え、追いやった人への恨み辛み、怒りすら感じました。
この粗末な堀は、かつて大正時代に造られたニシンの貯蔵場でした。漁業は廃れ、長年放置されていたようですが、いつしか観光目的にアザラシの見世物小屋へ利用されるようになったようです。しかし貯蔵場が、アザラシにとって安全に穏やかに暮らせる環境にあるはずもなく、そればかりか野生では家族で暮らす感情豊かな動物が、ひとり閉じ込められ、不安な日々を過ごし心身共に疲弊しないわけがありません。見ている限り半日以上食事はなく、信頼関係をもって接すべき飼育員もいません。この子にとって大正時代の貯蔵場は残酷な虐待施設でしかありません。
観光案内のPRページに載っていた人懐こそうに映る2頭の小さなアザラシは、ここにはいません。私は、この惨状から救い出すことはできないかを考え、無駄に税金を使い見世物小屋を運営する利尻の自治体、省庁、そして貸し出しを行っている稚内の水族館に相談しました。反応は様々でしたが、この行動が意味のある一歩となったことを確信。現在も検討中というアザラシの投獄が、今年度は中止となることを切望するばかりです。
アザラシから唯一無二の権利である自由を奪ったのは心無い人間です。それでも奪い取ったからには、自由と等しくは無理だとしても、愛情をもって育て、穏やかに暮らすことができる環境を与える義務があるのです。虐待は、無知、無関心によって放置されてしまうケースは多々ありますが、このアザラシが再び人災による二重苦が待つ絶望の貯蔵場へ投獄されぬよう見守り続けたいと思っております。
翻译:在《礼文》和《利尻》中,我看到了人类与时而狂暴却又丰富的自然环境以坚强而温和的方式共存的景象。尤其令人印象深刻的是,一群海豹聚集在近海的岩石上,舒适地打盹。
然而,我在仙法志岬偶然遇见的海豹却有所不同。
当天天气暴风雨,台风即将来临,从礁石中伸出的狭窄、像监狱一样的护城河暴露在强风中。汹涌的大海中,巨浪无情地涌来,将这只孤独、迷茫的海豹困在里面,无路可逃。我浑身湿透,只能紧紧抓住岩石间的一小缝隙。当我叫他时,他甚至没有看我一眼,但当他转过头看我时,我被他脸上悲痛的表情吓了一跳。我以前从未见过自己的眼睛里流露出如此绝望的神情。我们意识到需要救援,于是寻找应该在现场的动物园管理员,但没能找到他。于是我询问了当地一家纪念品商店的老板,他冷冷地回答说:“不可能有这种东西。”
第二天早上,我去看他,但他没有从同一个地方移动,当我叫他时也没有回应。护城河一角有一处小小的出水口,用铁栏杆与大海隔开,但看到他们望着外面那一丝淡淡的世界,脸上露出悲伤的表情,实在令人心碎。即使他们在广阔的大海中找到朋友,他们也永远无法一起玩耍和游泳。我意识到,这个孩子真正的地狱不仅仅是恶劣的生活条件,而是摧毁他精神的残酷铁栅栏。
看了一会儿,一辆载着一群外国人的旅游大巴开了过来。导游大喊“Instagram,Instagram”,并以 100 日元的价格购买一些看起来难以下咽的食物,试图引诱躲藏的海豹,但它们不予理会。一位日本妇女看到他临走前生闷气并扔食物,对他说:“向鸟扔食物真是太可怕了。你一定很孤独吧。”海豹随后抬头看着我们,眼里含着泪水,发出一声微弱的叫声。从她悲痛欲绝的表情中,我能感受到她对那些遭受虐待并将她推开的人的苦涩甚至愤怒。
这条简朴的护城河,曾是大正时代修建的鲱鱼储存处。渔业逐渐废弃,该地点被废弃多年,但曾一度被用作旅游目的的海豹表演帐篷。然而,该储存设施并不是海豹可以安全、平静地生活的环境。而且,这些在野外以家庭为单位生活的情感动物,不可避免地会被单独囚禁,度过焦虑的日子,身心疲惫。据我所见,它们已经半天多没有吃过任何食物了,而且也没有可以与它们建立信任关系的动物园管理员。对于这个孩子来说,大正时代的保管所只不过是一个残酷且充满虐待的设施。
旅游信息页面上介绍的两只看起来很友好的小海豹在这里是找不到的。我想知道是否有办法将这些动物从这种可怕的境地中拯救出来,并咨询了举办这场畸形秀并浪费税金的利尻当地政府和政府部门,以及将其出租的稚内水族馆。尽管反应不一,但我确信这一举措是有意义的一步。我们真诚希望目前正在考虑的海豹监禁政策今年能够取消。
正是无情的人类剥夺了海豹的唯一权利:自由。但既然把它夺走了,我们就有义务用爱去养育它,给它一个可以安心生活的环境,哪怕不能等同于自由。有很多虐待事件因为无知和冷漠而被忽视,但我们希望继续守护这只海豹,让它不再被囚禁在绝望的储存设施中,遭受人为灾难的双重悲剧。